次世代材料技術室紹介

          
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研究開発事業

  「高機能複合化金属ガラスを用いた革新的部材技術開発」プロジェクトがスタート
  当本部では、経済産業省の「革新的部材産業創出プログラム」の一環として、 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より平成19年度から平成23年度までの5カ年計画で、 「高機能複合化金属ガラスを用いた革新的部材技術開発」プロジェクトを受託し、 井上明久 東北大学ユニバーシティプロフェッサーをプロジェクトリーダーとして平成19年6月から研究開発を開始しています。 本プロジェクトは、18年度に終了した「金属ガラスの成形加工技術」プロジェクトの成果を踏まえ、 金属ガラス相と第二相を複合化させて高度な機能を実現させることを目指しています。

研究開発の体制
  本プロジェクトは、下記の体制で実施しています。

 

研究開発の目標
  本プロジェクトでは、金属ガラス相と第二相を複合化させることで新たに複合化金属ガラス合金を創製し、 従来の金属ガラス単相合金の持つ優れた特徴に加えて、硬磁気特性、塑性加工性、高電気伝導性等の特性を付与し、この複合化金属ガラスの持つ新規な特性を利用して、 従来の金属ガラス単相合金が適用できなかった次世代高密度磁気記録媒体、超微小モータ用部材、高強度・高導電性電気接点部材等の次世代部材の開発を行い、 多様な工業製品に応用することで我が国産業の優位性を確保することを目的としています。

研究開発の概要

  本プロジェクトでは、共通基盤技術開発および実用化技術開発をほぼ平行して実施します。
 
(1)共通基盤技術

@複合化金属ガラスによる硬磁性・ナノ構造部材技術
 1平方インチ当り1テラビットを超える次世代の高密度磁気記録媒体技術として、パターンドメディアが有力視されています。 現在検討されているパターンドメディアの作製法には、スパッタ膜のエッチングやイオン注入、ナノホール形成および直接ナノインプリント等の方法がありますが、 幾何学的パターン精度と製造コストの面で直接ナノインプリントが最も優れた方法であり、実用性も高いと考えられています。
 本プロジェクトでは、優れた粘性流動加工性によりナノスケールの転写加工が可能な金属ガラスを用い、インプリントによりナノパターンを直接成形するとともに、  金属ガラスの複合化により高密度磁気記録に適した磁気特性を付与させることで高精度のパターンドメディアを実現し、1平方インチ当り1テラビットを超える高密度磁気記録媒体を高精度かつ低コストで作製する基盤技術を開発します。

A複合化金属ガラスによる高強度・超々精密部材技術
 現在、金属ガラスの特徴を活かして超精密ギヤ等の開発が進められており、これまでに直径1.5mmの世界最小ギヤードモータが試作され、その製品適用が進められています。一方、高度化の著しいマイクロ機器の分野では、  さらに微小なモータの開発ならびに実用化への期待が大きく出されています。このような超微小モータの開発には、従来では困難なレベルの非常に厳しい寸法精度の超々精密ギヤ等が必要です。現在の超精密ギヤ等は、単相の金属ガラスを用い、  高温の溶融状態から直接鋳型に注入する射出成形法で作製されているため、熱収縮の影響が大きく出るので、超々精密ギヤ等の微小な寸法や高い寸法精度を達成することが困難です。
 本プロジェクトでは、高温に加熱することなく、比較的低温度で微小な寸法を高い精度で実現するために、金属ガラスに塑性変形能を付与した複合化金属ガラスを創製し、  これを用いて超精密プレス等により超々精密部材が作製できるような基盤技術を開発します。

B複合化金属ガラスによる高強度・高導電性部材技術
 携帯電話等の小型エレクトロニクス機器に用いられているコネクタの電気接点部材には、主として銅-ベリリウム合金が使われています。銅-ベリリウム合金は、強度と導電性に優れた材料ですが、  次世代の超小型コネクタ用としては強度及び導電性がともに不十分とされています。金属ガラスは、銅-ベリリウム合金を大きく上回る強度を持つとともに低ヤング率であることから弾性に富んでおり、  コネクタ用接点部材として適用すれば現状製品を凌駕する小型化・高性能化が可能と考えられます。しかし、金属ガラスは電気抵抗が通常の結晶性銅合金より大きいため、そのままでは電気接点部材としては適しません。
 本プロジェクトでは、金属ガラスの高強度特性を保持しつつ電気伝導性を高めることにより、優れた強度と電気伝導性を併せ持つ複合化金属ガラスを創製し、  さらにこれを用いて精密圧延により極薄で板厚精度に優れた広幅の精密薄板を作製して、次世代の超小型コネクタ用電気接点部材を成形するための基盤技術を開発します。

 
(2)実用化技術

@次世代高密度磁気記録媒体の開発
 共通基盤技術研究において開発された成果をもとに、記録密度が1平方インチ当り2テラビットの超高密度磁気記録媒体を開発します。

A超微小モータ用部材の開発
 共通基盤技術研究において開発された成果をもとに、現状の世界最小ギヤードモータ用ギヤと比べて1/2の大きさの超々精密ギヤを使用し、モータ全体の体積が1/3以下の超微小モータを開発します。

B高強度・高導電性電気接点部材の開発
 共通基盤技術研究において開発された成果をもとに、コネクタのピッチもしくは高さが現状の1/2となる微細カードコネクタを開発します。

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